相生コンピュータークラブ第5期(2026年10月)~3Dプリンター次のステップ~
2026年第5期は、3Dプリンターを使った造形に挑戦します。複雑な3Dデータを作るテクニックを学びます。
タイピング練習とアルゴロジック
入門の入門講座は、本編のクラブからタイピングとアルゴロジックの部分を切り出し、そればかりを一生懸命やる講座です。ここでタイピングと、プログラミングの考え方の基本を押さえておくと、本編のクラブに進んだときに飛躍的に伸びることを期待しています。
タイピングのいいところは、上達が数値で現れやすいことです。速くなったことがすぐに目で見てわかるので、メンバー本人も手応えを感じやすくなります。
生成AIがこれだけ身近になると、「タイピングなんて必要ないのでは?」と思われるかもしれません。近い将来、タイピングがなくなる可能性は否定できません。それでも現状で、まったく不要かというと、そうではないと考えています。
- 生成AIに文章を入力するとき、音声入力が使えるようになったとはいえ、手入力で修正する場面はまだまだあります。
- プログラミングやコーディングでは、タイピングなしで進めるのは難しいのが現状です。
もうひとつ大きいのは、コンピューターを操る感覚が一番わかりやすいのがタイピングだということです。タイピングが自在にできると、コンピューターを自在に操っている感覚が得られます。プログラミングはコンピューターを操ることですから、その入り口としてタイピングで自信をつけるのは、とても有効だと思っています。
アルゴロジックは、プログラミングの考え方のエッセンスを、簡単なゲームとして抜き出したものです。このゲームでは、次の2つを体感で理解できます。
- 小さい手順を組み合わせて、複雑なことを行うこと
- 同じ結果になるなら、短い手順のほうがいいということ
この点で、アルゴロジックは非常に優れた教材だと思います。

取り組み方には、メンバーそれぞれの個性が出ます。一つずつ確実に仕上げていくメンバーもいれば、とりあえずクリアして次々に先へ進むメンバーもいます。どちらもいいと思っています。
大切なのは、記録を取っておくことです。どうクリアしたかまで残せれば一番いいのですが、まずは「100%完璧にクリアしたのか、80%でクリアしたのか」といった記録をつけておきます。あとで見返したときに、自分がどこまでできたのかがわかるからです。
クラブでは、タイピングとアルゴロジックについて、全員が毎回記録をつけています。目的は、少しでも過去の自分を超えることです。誰かと比べて褒めてもらうための記録ではありません。記録していなければ、過去の自分と比べようがないので、この記録が重要になります。

しかも、この記録は私がつけるのではなく、メンバー自身につけてもらっています。これがうちのクラブの特徴かもしれません。
タイピングで中原を負かしたメンバーを表彰
タイピングについての表彰は、安売りしていません。表彰するのは、クラブの中で最初に私を負かしたメンバー、ただ1人だけです。
光都ICTクラブで1人、相生コンピュータークラブで1人。これまでに表彰したのは、まだこの2人だけでした。今回、相生コンピュータークラブで、その2人目を表彰しました。

表彰されたのは小学4年生のメンバーです。少し照れたような表情でしたが、これが大きな自信につながればいいなと思っています。
というのも、このメンバーはかなり速いのです。私自身も、大人の中ではかなり速い部類に入ります。日本語入力で1分間に200字を打つからです。小学4年生の時点でその私を抜いたのですから、めちゃくちゃ速いということです。自信を持っていいです。
タイピングは、あくまでひとつの手段にすぎません。それでも、ここをきっかけにして、コンピューターの世界へ羽ばたいていってくれたらうれしく思います。
マウス操作は妥協しません
3DCADの操作は、今の小学生・中学生には難しいようです。いちばんの理由は、マウス操作に慣れていないことかもしれません。デジタルネイティブの彼らにとって身近なのはタッチデバイスで、マウスを使うのはクラブや学校の一部に限られているのでしょう。
それでも、3DCADはマウスを使ってこそのものですから、ここは妥協しません。正確さと速さを両方兼ね備えているのは、マウス操作だからです。マウスは過去の遺物になるのか。そうなるのかもしれませんが、少なくとも今の3DCADの分野では、マウスが大活躍しています。

組み合わせて品質を高める
先月の課題は、基本的な図形をいくつか画面上に置くだけで完成するものでした。今回は一歩進めて、「組み合わせて、さらに品質を高めるにはどうしたらよいか」という観点で立体を作っています。
これもアイデア勝負です。基本的な立体はあらかじめ用意されています。その設定値を変え、組み合わせ、形を変えて、複雑なものを作っていきます。実はこれは、プログラムとまったく同じ考え方です。プログラムも、簡単な部品がたくさんあって、それを組み合わせることで、大きく複雑で高度なことができるようになります。3DCADや3Dプリンターで立体を作ることも同じです。この感覚を、ぜひ肌感覚として身につけてほしいと思っています。
ある程度の課題が終わったら、あとは自分で何かを作る方向に進めていきます。

「𰻞」(びゃん)の部品を組み合わせて作ったメンバー
その中で、さっそく「複雑なものを組み合わせて作る」ことを実行してくれたメンバーがいました。𰻞𰻞麺(ビャンビャンメン)の「𰻞」という漢字を作ってくれたのです。一発で変換が出なかったため、小さな漢字の部品を組み合わせて作ったそうです(下の写真のとおりです)。

まさにこういうことです。「𰻞」という複雑な文字も、すでにできている簡単なパーツを組み合わせれば形になります。作ってくれて、本当によかったと思います。それにしても、𰻞𰻞麺(ビャンビャンメン)とは、なんとも面白いものが出てきました。
※「𰻞」という文字を使うと、サーバーのデータベースが保存を受け付けてくれませんでした。そこで、数値文字参照で表示しています。なるほど、もう一つネタが増えました。
プログラムで立体を作る
続いて、もう一人のメンバーには、プログラムで立体を作ることに挑戦してもらいました。Scratchのように、ブロックを積み上げて操作する簡単なものです。
同じことの繰り返しを、手作業で操作することがあります。同じ操作を繰り返すということは、プログラムにできるということです。それを実現するのが、Tinkercadに「コードブロック」として実装されている機能です。いま実際に使ってもらっているところです。

プログラムで作れるものは、ゲームやアプリだけではありません。Tinkercadのコードブロックで立体ができあがり、それが3Dプリンターで実際に形になります。これはとても面白い取り組みですので、アプリ制作などとあわせて、こちらも進めていきたいと考えています。
