CoderDojo@播磨科学公園都市(2026年10月)~頭の中の完成図と、目の前の現物~

CoderDojo@播磨科学公園都市は、光都ICTクラブ金曜日の活動場所と同じ「光都プラザ コトハナ」で、毎月第3金曜日開催しています。

ニンジャ(メンバー)の取り組み成果をご紹介

CoderDojoは、自分で課題(テーマ)を持ってくるのルールです。今回は、iPhoneの修理、キューブLEDの配線、Linux、3Dプリンター、Viscuitと、テーマがずいぶん幅広くなりました。振り返ってみると、どのテーブルでも「頭の中で描いたものと、目の前の現物との距離」に向き合っていたように思います。

割れたiPhoneを直して、ケースまで作る

一番乗りのニンジャは、ニヤニヤしながらiPhoneを2台見せてくれました。画面がバキバキに割れたiPhone 5sとSEを1,000円ほどで手に入れ、バッテリーと画面を自分で交換したそうです。仕上がりは修理業者並み。作業の勘どころを聞くと、私の知らないことまで教えてくれました。

そのままiPhoneのケースを3D CADで設計し始め、3Dプリンターで出力するつもりだと言います。やりたいことが自分の中で決まっていて、誰にも頼らず勝手に始める。私たちの出番は、詰まったときに選択肢を示すくらいです。クラブとして目指している姿のひとつが、ここにあります。

3x3x3CubeLED、テスターで導通を確かめる

中学1年生のニンジャ3人は、3x3x3のキューブLEDの裏面配線を続けています。私が作ったお手本を横に置き、スズメッキ線を一本ずつ這わせていきます。電気を本格的に学ぶ前の段階なので、見よう見まねです。それでも回を重ねるごとに手が速くなってきました。学びは真似ることから始まります。

配線を終えたニンジャには、テスター(電気が通っているかを測る道具)で導通を確かめてもらいました。つながっていると「ピー」と鳴る設定にして一箇所ずつ当て、確認できたところを回路図や実体配線図にチェックしていきます。見た目で「つながっているはず」と思うことと、測って「つながっていた」と言えることは、まったく別物です。初めてのテスターに、キャーキャー言いながら取り組んでいました。

道具は自分に合わせて置く

この作業を見ていて気になったのが、道具の扱いです。右利きなら、ハンダゴテやニッパーは右手で一番扱いやすい位置に構え、材料の方を動かす。今ある配置に自分の体を合わせるのではなく、自分に合わせて道具と材料を置く。基本中の基本ですが、このクラブに限らず、できていない場面をよく見かけます。

私自身は、父親にひっぱたかれながら覚えました。同年代のスタッフは「痛い思いをして覚えるのが一番身につく」と言います。その通りだと思います。ハンダゴテで「あちっ」となった小さな経験は、自分のどこがまずかったかを教えてくれます。ただ、大怪我は取り返しがつきません。小さな失敗は見守り、大怪我の手前では手を出す。口うるさい父親の役を、少しだけ引き受けようと思っています。

Linux Mintのインストールから、ヘッドレス運用へ

中学3年生のニンジャは、以前から「Linuxをやりたい」と言っていました。Windows 10が入っていた練習用のノートパソコンにLinux Mintを入れ、日本語と文字サイズの設定までを1時間ちょっとで済ませてしまいました。

そこで次の課題として、余っていたRaspberry Pi 4を持ち帰ってもらいました。ディスプレイもキーボードもつながず、ネットワーク越しに別のパソコンから操作する「ヘッドレス運用」への挑戦です。OSを書き込む段階でネットワークとSSHを設定しておかないと、手も足も出ません。うまくいけば、その先にはファイルサーバーやWebサーバーが待っています。

中学3年生に渡すには乱暴な課題かもしれません。それでも、やれば必ず何かが身につきます。千尋の谷に突き落として、這い上がってくるのを待つ。それくらいのことができる場でありたいと思っています。

キャタピラが文化祭に間に合わない

中学1年生のもう一人のニンジャは、家で3D CADで設計した部品を出力しに来ました。設計は家で、出力はクラブで。この使い分けはとても良いと思います。

作りたいのはキャタピラで、11月の文化祭に間に合わせたいとのこと。ところが出力してみると、1つに50分かかりました。ここで3Dプリンターを使えるのは月2回、しかも他のメンバーと共用です。9月に思いついて11月に完成させるには、計画の時点で無理があったわけです。

3D CADの腕はある。出力もきちんとできた。それでも、限られた時間と設備の割り振りを見誤れば、ものは完成しません。理屈だけでは回らないのがエンジニアリングです。目標を来年の文化祭に延ばすか、自分でプリンターを用意するか、他で借りるか。どれを選ぶかは本人次第です。

その部品、本当に壊れないか

もう一つ、本人がまだ考えていなかったのが強度でした。画面の上ではきれいに組み上がった部品が、実際に動かし続けて壊れないかどうか。正直に言えば、これは私にも分かりません。作って、動かして、確かめるしかありません。たとえプリンターが手元にあっても、途中で壊れたり、思い通りに動かなかったりすることはいくらでも起きるはずです。

Viscuitでゾンビが増えていく

Viscuitに取り組んでいるニンジャもいます。目を離すとすぐ怪獣を作り始めるので、『子供の科学』に載っていた作例をまず一通りなぞってもらい、そこから自分なりに改造していく進め方にしています。この日は、ゾンビが人間を噛んで仲間を増やしていく作品を完成させました。

実は私もViscuitには詳しくなく、横で一緒に手を動かしながら「なるほど」と唸る場面がたくさんありました。焦らず、少しずつ進めていけたらと思います。

頭の中の完成図と、目の前の現物

こうして並べてみると、ニンジャたちがいる場所はばらばらです。お手本をなぞっている段階、テスターで確かめることを覚えた段階、自分で計画を立てて崩れた段階、そして自分でテーマを決めて勝手に走り出す段階。どの段階にも、頭の中の完成図と目の前の現物とのずれがあります。そのずれに気づき、折り合いをつけていく力こそ、ここで育てたいものです。

CoderDojoに必要なのは、パソコンとやる気!

CoderDojoは7~17歳のための、プログラム・コンピューターを学ぶ場です。完全無料、こちらから教材を売ることもありません。パソコンと自分のテーマは持ってきてください。あなたの、やりたい!を叶えます。