素早くコンピューターを操作するテクニック~ショートカットキーを使いこなそう~

2024年11月15日(金)は、4割ほどの出席でした。この日は、出席者が少ない状況でした。少ないなら少ないなりに、臨機応変に取り組み内容を変えて実施するのが光都ICTクラブです。

  • 18時00分~18時30分 タイピング練習
  • 18時30分~19時50分 ショートカットキーの練習
  • 19時50分~20時00分 あとかたづけ

タイピング練習

タイピングの練習は、「寿司打」です。

トップ成績のメンバーのスコアに気を取られて、最近ほかのメンバーの記録の伸びに気づいていませんでした。最低スコアでも5000を超えてくるので、1分間の字数にすると120字/分くらいです。これは、事務仕事だと十分に早い部類に入ります。

寿司打を始めた当初は、2000~3000のスコアがザラでした。メンバーみんなが大きく成長してきたと感じています。

ショートカットキーを使って、素早く操作しよう

電卓プログラムの続きをしようかと思ったのですが、出席人数が少ないのでやめました。キーボード主体で、パソコンを操作する方法について説明することにしました。

今回は、プログラムの学習から少しはなれます。しかし、タッチタイピングと同じで基礎訓練みたいなものです。プログラムだけでなく、パソコンを使った学習・仕事など様々な場面で役立つテクニックを習得します。

※この記事では、クラブメンバーが主に使用しているWindowsおよびLinuxについて解説します。Macintoshについては言及しません。

まずはよく使うCtrl系のショートカットから

おそらく最初に覚えるショートカットキーが、コピー→貼り付けだと思います。わたしもそうでした。この系統のよく使うショートカットキーの一覧は下表のとおりです。

操作ショートカットキー
コピー(複写)Ctrl + c
切り取りCtrl + x
貼り付けCtrl + v
もとに戻すCtrl + z
やり直しCtrl + y
保存Ctrl + s
全選択Ctrl + a

「コピー」「切り取り」「貼り付け」は、こちらが説明せずとも使っているメンバーが多かった印象です。しかし、「もとに戻す」「やり直し」「保存」「全選択」は、「知らない」「使っていない」ように感じました。

「もとに戻す」は、「自分が行った操作を1つ前の操作に戻す」操作です。間違って入力したときなど、わざわざBackspaceDeleteで消さなくても、キー操作一発で無かったことになります。複数回「もとに戻す」を使えば、その分過去に戻ることができます。

「やり直す」は、「もとに戻す」で無かったことにした操作を、やっぱり操作したことにしたいときに使います。

「保存」は、わざわざマウス操作していたのがなくなります。ただし、ファイル名をまだつけていないときは、ファイル名をつけるダイアログボックスが出てきます。一度ファイル名をつけてしまえば、Ctrl + sだけで保存できます。

なお、Thonnyだと、保存できていないファイルはタブのところに「*」がつきます。たとえば、「sample.py*」と表示されていたら、このファイルは保存されていません。この状態でパソコンの電源が落ちると、加えた変更点が全て消えてしまいます。要注意です。

「全選択」は言うまでもなく、すべての文字列などを選択します。コピーや切り取りなどと合わせて使うことが多いショートカットキーです。

次に覚えるべきショートカットキーはこれだ

前項のショートカットキーを覚えて、日常的に使うようになったら、次はこのキーを覚えましょう。

操作ショートカットキー
取り消しEsc
半角英数字に変換F10
検索・置換Ctrl+ f

「取り消し」と一言で言っても、Escでいろんなことが取り消せます。「もとに戻す」と違うのは、確定前の操作が取り消せるという点です。これは、実際に使ってみて違いを感じ取ってください。

「半角英数字に変換」は、日本語入力がOnになっているときに使います。たとえば、「print」と入力したいのに、日本語入力がOnになっていると「pりんt」となってしまいます。このとき、「入力した文字を消す」→「日本語入力をOffにする」→「半角英字で入力する」と手順を踏むのも正解ですが、面倒です。間違った入力をEnterで確定前なら、F10を押せば半角英数字に変換できます。

「検索・置換」は、文字列を検索する場合や、検索した文字列を他の文字列に置き換えたい場合に使います。プログラムコードを自分の目で目的の文字列を探しながら置き換えるのは、間違いの原因になります。コンピューターの力を借りるのが正解です。単純に検索・置換するのは、コンピューターの得意な分野です。

ただし、この説明はThonnyのショートカットキーの説明です。WordやExcelだと置換はCtrl + Hです。ご注意ください。

Alt系ショートカットキーも便利

続いてAlt + □系のショートカットキーを説明します。

操作ショートカットキー
終了Alt + F4
アプリケーションウインドウの切り替えAlt + Tab
強制終了Ctrl+ Alt + Del

Alt + F4は、アプリケーションを終了するショートカットキーです。わざわざマウスで右上の☒をクリックしなくても終了できます。OSを終了することもできます。

Alt + Tabは、複数開いているアプリケーションウインドウを切り替えるショートカットキーです。これもマウスでタスクバーのアイコンをクリックして切り替えるのではなく、キー操作一発で完了します。

特に思春期の生徒にとっては、他人にのぞき込まれるとはばかられるようなサイトを見ているときに活躍します。

Ctrl+ Alt + Delは、コナミコマンド並みに有名な強制終了のショートカットキーです。アプリケーションがハングアップしたときなど、当該のアプリを強制終了させてシステムを救済します。Windows9x系のOSのときは、なんどとなくお世話になったショートカットキーです。最近はWindowsも堅牢になって、出番がめっきり減りました。

Microsoft創業者のビル・ゲイツは、強制終了のショートカットキーを3キー同時押しに設定したことを後悔していたそうです。1キーで強制終了コマンドにしたかったと述べています。

Windowsの象徴みたいなショートカットキーですが、Linuxでも使えます。

Win系ショートカットキーはかゆいところに手が届く

最後にWinキーと合わせたショートカットキーを紹介します。LinuxだとSuperキーと呼ばれます。

操作ショートカットキー
デスクトップの表示Win + d
ウィンドウを画面の左半分にスナップするWin +
ウィンドウを画面の右半分にスナップするWin+
画面を切り取ってキャプチャするWin+ Shift + s
画面のキャプチャ動画を取るWin+ g

Windowsキーは、キーボードの一番下の段にWindowsロゴのように四角形が4つ並んだ形で示されることが多いキーです。キーボードの左下または右下に、だいたい配置されています。

Win + dを使うと、複数開いたウインドウを一度で最小化して、デスクトップを表示します。デスクトップにショートカットアイコンやファイルなどを配置していれば、かんたんにアクセスできます。

Win + or は、アプリケーションウインドウを画面の左半分または右半分に配置することができるショートカットキーです。WebサイトやPDF資料を参考にして、プログラミングや資料を作る仕事にぴったりです。わたしも今、画面の左半分に資料、画面の右半分にブラウザを開いてこの記事を書いています。

ただ、Linuxで使うときは注意が必要です。クラブでよく使っているLubuntuだと、Openboxというソフトと干渉してこのショートカットキーが使えません。さらに設定が必要です。

のこりの2つもWindows専用です。スクリーンショットを撮ったり、画面キャプチャ動画を撮るときに使えます。ゲーム実況配信もできます。

メンバーを煽っておいた

企業相手にコンサルタントをするような仕事につく人は、まずショートカットキーを覚えるそうです。ならぜならば、客先でパソコンを用いて説明するときに、マウス操作でもたもた操作をしていると、コンサルティングの内容が劣っているような印象を与えるからだそうです。

ということで、学生さんでも社会人でも、スマートにショートカットキーを使いこなせると、さまざまなところで優位な印象を与えられます。

一方で、こんなこともありました。

「動画を先生にバレないように見るショートカットはないの?」

「ないねー。ていうか、音を消せばいいだろ。」

「たしかにそうだ」

「……」

これはショートカットキーの罠にハマっている気がします。

ほかにも、次のような例があります。わたしが職業訓練でPCを教えていたときに、「ショートカットキーを覚えてExcelを使いこなしたい」という訓練生がちらほらいました。

この例もショートカットキーの罠にハマっていると言えます。

ショートカットキーは操作を時短しているに過ぎない

ショートカットキーを覚えたてのときは、1アクションで操作が完了することが魔法のように感じられます。そのため、あらゆることがショートカットキーで解決できそうに思えてしまうのです。

しかし、本来しなくていい操作をショートカットキーで時短しても、それはベストな選択とは言えません。もっと少ない操作で完結できないか、考えることが重要です。ショートカットキーは、問題解決の一つの手段でしかありません。

思い違いをしないように、適切に使用して快適なプログラミングライフを!!

次回は、ビートル山本先生のAI講座最終回です。最後はどんなAIネタが待っているのか、楽しみです。